海外に持っていくべきもの

海外で必要・あったら便利なアイテムを紹介します!

カズオ イシグロの素晴らしい音楽

今回は趣向を変えて、海外に持って行くべき音楽を紹介。

 

見覚えある名前

 

毎年秋になると騒がれるノーベル賞。

今回はあの人が、あの作家が、こんな研究で…

なんて、勝手に噂している。

そしてついに今年の受賞者が発表された。

ノーベル文学賞の中に見覚えのある名前があった。

 

カズオ イシグロ

Kazuo Ishigro

 

 

私は、イタリアで日本に関わるものを見つけ

メモを撮ったり、写真に収めたりして収集している。

ある日、日本の作家がどのくらい名を連ねているのかを、

イタリアの大手書店へ調べに行った。

 

そこで見つけたのが、

芥川龍之介、大江健三郎、角田光代、川端康成、

太宰治、谷崎潤一郎、夏目漱石、三島由紀夫、

宮本武蔵、村上春樹、紫式部、吉本ばなな…

名だたる著名人の中に見慣れない名前があった。

 

それが、Kazuo Ishiguroだった。

検索してみると、長崎で生まれ、イギリスで育ったと書いてある。

日本の読書家の間では知られた名前だった。

 

しかし、私の中で違和感があった。

どこかで見たことあるような名前。。。

 

兄の友だち?かつての取引先?知り合いの知り合い?

なんて辿ってみてもヒントさえ出てこない。

 

 

 

ラジオから得る

私は子どもの頃から生活の大部分をラジオからの情報に頼っている。

生活の知恵、イベント情報、作家やアーティストの紹介など。

中でも音楽は、J - WAVEやTOKYO FMで出会うことが多い。

 

2007年の秋、この曲を耳にし興奮を覚えた。

ど真ん中もど真ん中。大好きなテイストの音楽に巡り会えた。

アメリカ出身でイギリスで活躍する女性ジャズヴォーカリスト

 

Stacey Kent

 

ラジオから流れてきたのは、当時の新作

「 Ice Hotel 」

 

歌声が可愛くもセクシーであり、なめらかでとろける。

なんだかチョコレートのような表現。間違っていないかもしれない。

艶かしく芳醇、ちょっとしたスパイしーさも感じる。

絶妙な甘さはやみつきになる魅惑の味。

  


The Ice Hotel

 

このアルバム『市街電車で朝食を』は全体が素晴らしく、

統一感の取れた見事な作品集。

この日以降、衝撃を受けたことが記憶に残ってか、

毎年秋の葉が色づくころになると聴きたくなる。

肌寒い日にあったかい飲み物と彼女の歌声で初秋を味わう。

今年もそんな季節を迎えていた。

 

特に、4曲目の「I Wish I Could Go Travelling」はたまらなく良い。 

 

Stacey Kent の音楽は、このCDを入手してから、

新作はもちろん過去の作品まであさった。

 

そして、今イタリアにももちろん i Podに入れ持ってきている。

街の風景をより美しく見せる音楽。

 

 

まさかイタリアで

イタリア生活が始まって1年が経った頃、

なんと、Stacey Kentのライブのチケットを入手した。

そこは、Blue Note MILANO

到着までのドタバタ劇は一生忘れることはないが、

彼女のステージも声から想像していた通り、のびのびと笑顔あふれる姿は

忘れることのできない幸福に満ちあふれたひとときだった。

 

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コンサートを堪能してからしばらく経ったある日、ピンときた。

そうだ、Kazuo IshiguroはStacey Kentの楽曲クレジットに名前がある人だ!

 

そもそもは、彼女はKazuo Ishiguroの読者であり大ファン。

直々に歌詞作成依頼をしたことから、付き合いが始まった。

初めて出来上がった合作は、今回紹介した『市街電車で朝食を』に

収録されている。もちろんこれまで紹介した2つの曲にも、

彼の名前が記載されている。

 

作家だけでなく作詞家としても才能も持ち合わせている。

わずかな時間の中にも彼が描き出す世界観がいかに素晴らしいかが聴こえてくる。

 

ノーベル文学賞を受賞し、世界が沸くなか、

タイミングよく、Stacey Kentの新作がまもなく発売となる。

もちろん、今回もKazuo Ishiguroのクレジットが入っている。

 

今日の産經ニュースによると、

ノーベル文学賞受賞が決まった英国人作家、カズオ・イシグロ氏(62)が、日本を題材にした「バレット・トレイン(新幹線)」など2曲の作詞を担当したCDが25日、発売される。

「バレット・トレイン(新幹線)」は英語の歌詞だが、イシグロ氏が日本に寄せる愛情が感じられる内容。冒頭には「名古屋です。ご乗車、ありがとうございました」という日本語の車内アナウンスが流れる。続いて、東京から名古屋へと高速で移動する「シンカンセン」の中で、いつまでも夜が訪れず、昔の知人ばかりが現れることに主人公が疑問を抱く様子が描かれ、幻想的な「イシグロ・ワールド」が展開する。” 

 

 

月末まで待ち遠しい。